FAQ 11 広報部門の認知度を上げるには?

 当社の広報課の現状は、情報の発信(リリース)の大部分が新製品発表で、しかも当課からのアプローチが多く、関係部門から積極的に発表の依頼が来る状態ではありません。私は、現状の受身の態勢から攻めの態勢に転じ、タイミングよく情報を取り入れて、発表並びに取材対応等に展開していきたいと思っています。そのためには情報を収集できるよう、まずは社内コミュニケーションに力点をおき、広報課の認知度をあげたいと考えています。

 そこで方法のひとつとして、広報の情報をメールマガジンで発信しようと考えているのですが、いかがでしょうか? また、社内コミュニケーションを図る方法として、他にどのようなことが考えられるでしょうか?

 なお、当課の担当は私1人で、予算はありません。また、社内報、HPは他部署が担当しています。

●ANSWER

 メールマガジンというのは、広報課が発信したリリースや情報発信を一定の間隔でまとめて、発信するようなことを考えておられるのでしょうか。それもよい方法だと思いますが、自社から出したリリースや情報は、発表した同時刻または直後にメールで社内に発信するのが最もよいと思います。イントラネット上のホームページに掲載するのもよい方法です。会社から社外に発信された情報が、社員より先に社外の人の方が知るというのは好ましくありません。

   「関係部門から積極的に発表の依頼がくる態勢」ではないというのはよく理解できます。私もそのような状況を経験しました。

 あなたの会社ではニュースクリッピングをしておられますか? 毎朝自社の記事や業界関連記事を各紙から切り抜いて、トップを初め役員や幹部のみなさんにお届けする仕事です。多くの企業の広報担当者がやっている広報の定番作業です。これをやるメリットは、

  1.  トップや幹部が一番気にしている業界の動きが一目瞭然でわかるので、知らず知らず便利がられるようになり、いつの間にか広報担当者の存在価値が認識される。
  2.  そこに自社の記事もクリッピングされているので、広報の活躍が知らない間に社内にインプットされる。

ということです。イントラネットなどの電子的な方法よりも、原始的に記事をスプレー糊で張り付けてコピーする方が、なぜかインパクトがあって効果的です。

  出社時間の1時間か30分前に出社して作業して、幹部が出社してきたときには、これが机の上に乗っている、という活動を半年も続ければ、広報課の評価はものすごく高くなるでしょう。実際に広報部の1~2人が交代で始業時間の1時間前に早出してこの作業をしている会社がたくさんあります。

 なお、このクリッピングは著作権の問題にかかわりますので、日本複写権センター(http://www.jrrc.or.jp/)などに事前に相談されることをお勧めします。

 次に、社内から情報を収集する方法を考えてみましょう。情報をうまく収集する条件は次の2つです。

1)担当者が社内を歩き回り、こまめに情報を聞き出す活動をする。

2)社内の各部署が、情報を出したい、あるいは出さなくてはならないと思うような状態にする。

1)は広報の基本です。そのためには、

 a)社内のいろいろな人(役員、幹部を含めて)と人間関係を確立することが必要です。要は仲よくなることです。

 b)そのためには、この人は話をよく理解してくれる、とか、秘密の部分まで話しても機密はちゃんと守ってくれる、といった信頼関係をつくることが大切です。これは実績を積み重ねることしかないでしょう。あの人は口が堅い、という信頼を得ることは大切です。広報の仕事は、「おしゃべりな仕事」という誤解を受けがちですが、発信すべき情報と守るべき情報の区別をしっかりつけておかなければなりません。

 C)相手が出したがる、あるいは簡単に出して来る情報は、あまり価値がないことが多いものです。相手の人が自分ではその価値に気がつかなかったような事実が、意外にニュースバリューの高い情報であったりします。そのためには「なにかいい情報はない?」と尋ねるだけでは不十分です。何気ない会話をいろいろな人とする(informal communication)ことです。もちろん、その話に価値があることに気づく勘や問題意識も必要です。そうやって広報的なセンスが高まると、それがまた信頼につながります。

2)の「社内の各部署が、情報を出したい、あるいは出さなくてはならないと思うような状態にする」ためには、リリースしたら問い合わせが殺到した、といった実績が最も効果があります。これが積み重ねると、「今度の新製品を新聞に大きくとりあげてもらいたんだが・・・」といった相談が広報課に持ち込まれるようになるでしょう。