FAQ 14 社内報の企画の切り口は?

 いま、社内広報を担当して2年ほどになりますが、毎回困るのが「企画・特集の組み方」です。まず一番に「いかに読みやすく、関心を引く内容となるか」を基本スタンスに作るわけですが、切り口でいつもつまずいてしまいます。

 例えば「社員の能力開発について考える」というテーマに決めたとします。ねらいは各人の資格取得率と自己啓発意欲の向上。ストレートに行くならば、

  • 人事担当者へインタビュー または人事担当と教育担当の対談
  • 各階層別に何人か抽出し、アンケート
  • 国家資格など難しい資格取得に挑戦し取得した人へ取得の秘訣や取得までの道のり・・・といった具合の構成になると思います。

 こういった基本的構成もよいのでしょうが、やはり違った切り口、構成を考えるべきと思うのです。(特に普遍的なテーマであるほど・・・)

 一つの物事、出来事、テーマについて、切り口の考え方や発想法などについて教えてください。

●ANSWER

1.読者が何に興味を持っているかを考える
 社内報やPR誌に特有の問題点は、読者が固定されていることです。しかも、ほとんど強制的なリピーターです。しかし、多くの社内報は、読者(対象となる社員)が何に興味を持っているのか、どういう情報を得たいのか、ではなく、発行元(経営トップとか会社側)の言いたいことを、言いたいように書いているところにあります。商業誌でそんなことをしていたらすぐ廃刊に追い込まれてしまいます。だから商業雑誌の編集者は、いつもどうしたら読者にウケるかということばかり考えているわけですが、社内報は廃刊になる心配が少ないので、どうしても甘くなるのです。

 「社員の能力開発について考える」であったら、社員は自らの能力を開発するために、会社に何を望んでいるのかをまず考えるべきでしょう。周囲の2~3人の社員に聞いてみるだけでも情報が得られます。会社(人事部など)の求めるものと、社員の求めるものとの間にもし食い違いがあったら、そこが社内報のよい切り口になります。それがジャーナリズムというものです。

 社員の考えと会社の考えに違いがあるなら、どこでその違いが生まれたのか、どの程度違うのか、それを埋めるにはどうしたらいいのか、といったように考えを進めて行くと、企画のアイデアが生まれるでしょう。
 アンケートは、社員の求めるものを浮き上がらせるような設問設計ができればよいと思います。

 ただ、どこの企業の社内報にもアンケートという手法が多用されすぎているような気がします。比較的安易な方法なのです。読む手の方はよほど面白いアンケート結果(内容とまとめ方の両面で)でないと、じっくり読んでくれません。じっくり読んで、後でうるさいことを言って来るのは、たいてい社長さんとか人事部長といった方々です。苦し紛れにアンケートに頼る社内報担当者の気持ちもよくわかるのですが・・・。

2.切り口は社外にもある
 社内報というと、どうしてもニュースソースを社内にだけ求めがちになります。だから内容が平面的なるのです。ちょっと社外に出てみませんか?
 たとえば国家資格がテーマでしたら、どちらの会社の人事部でも、国家資格取得セミナーとか通信教育などを社員に奨励、斡旋されておられるのではないかと思います。そういう教育を長年やって成功しておられる他社の方に、その効果や社員の経験などをインタビューしてみるのも一つの方法でしょう。自社の人事部が書いた原稿より迫力や現実感が出るはずです。

3.よく売れている雑誌を参考にする
 読者の側に立って考えてみると、社内報の競争相手は他社の社内報ではなく、書店で売っている一般の雑誌だということがわかります。よく売れている雑誌をいくつか買って来て、そこからアイデアを拝借するのもよい方法です。私は、アイデアに詰まったとき、よくこの手を使いました。向こうはプロの編集者ですから、それなりによく考えられていますし、アイデアの真剣度が違います。記事のタイトルの一部を、社内の問題に差し替えて考えてみたりすると、新鮮な切り口が見つかることがあります。