FAQ 23 広報業務はアウトソーシングした方がよいか?

 広報の担当をたった一人でしています。業務が多くなってきたので、増員をしたいと考えたのですが、会社からは広報業務をアウトソーシングした方が全体のコストが安くなるのではないか、と言われました。広報の仕事はコストだけで考えてはいけないような気もするのですが、 どうでしょうか。

●ANSWER

私が企業の広報責任者をしていたときは、「社内でできない広報業務は存在しない」と言ってきました。広報のコンサルタントとして仕事をしているいまでも、その考えを修正するつもりはありません。広報は基本的に経営機能の一部ですから、その企業が直接行うべき業務です。しかし、経営コンサルタントとかITのコンサルタントなどに委託して、外部の目で業務のあり方を評価してもらったり改善の提案をもらったりすることは、どこの企業でも行われています。また、システムの運用を外部委託することなどもごく当たり前のことになっています。基本的には、広報業務も同様に考えたらよいと思います。

しかし、日本で活動しているPR会社の多くは、コンサルティング的な仕事よりも、リリースを配布したり記者会見を設定したり、TV局に番組企画を売り込んだりといった手足の部分の業務を得意としています。

広報業務をアウトソーシングする場合は、広報の担当者を企業内において、その担当者を中心に社内で経営幹部とともに広報戦略やアクションプランを策定し、その実施をPR会社に委託するというやり方がよいと思います。社員は頭の部分を担当し、手足の部分をアウトソーシングするという方法です。PR会社が持つ特殊な機能や人脈を利用することもときには必要になります。

広報の仕事を実際にしているとわかることですが、意外に内向きの業務に時間をとられるものです。知らず知らず業務がルーチン化してしまい、新鮮な企画を考える余裕をなくしてしまうことがあります。そのようなときには、コンサル型のPR会社に相談すると新たな展開の糸口が見つかるでしょう。

広報業務のすべてをPR会社に丸投げしてしまいますと、いつまでたっても社内に広報のシーズが残らず、同じ業務の繰り返しとなってマンネリ化しがちです。

企業内の広報担当者は、兼任でも上司と部下でも構わないので、少なくとも複数配置することが理想です。外資系企業などでたまに見られることですが、広報担当者が退職してしまって、それまで何をやっていたかわからなくなってしまったということがあり得ます。

企業はゴーイングコンサーンで続いているのに、企業情報の発信基地があったりなかったりでは経営上の大きなマイナスです。そのようなことが起こらないように、社内に広報のシーズを常に残し、そこから芽を出させ、さらに大きな幹に育てることを目指していただきたいと思います。

広報業務のアウトソーシングは、一般的には人件費と比べコストの削減に貢献すると考えられています。そればかりでなく、広報の小さな苗を順調に育てるためのプランターであったり、添え木であったり、ときには水であったり肥料であったり、そのような役割と考えれば、より前向きな利用の方法が考えられると思います。