FAQ 5 広報の現場ではどんな人材を求めているのですか?

 私は現在、専門学校の広報ビジネス科で勉強をしています。広報の仕事に就きたくてこの学校を選んだわけですが、実際の企業では広報担当者にどんな人材を求めているのかがつかめません。広報を目指すにあたってやっておいた方がよいことや、最低限これは必要だと思われることを教えてください。

●ANSWER

 広報の仕事をしたいとなると、一般の事業会社で広報部に所属するか、PR会社(電通パブリックリレーションズとかプラップジャパンといったPR会社)に入社することになります。

 一般の会社では、それぞれの企業によって広報セクションの仕事の内容が著しく異なりますので、そこで求められている人材もそれによって異なります。また、日本の企業と外資系の企業でも異なっています。

 日本の大企業(残念ながら中小規模の企業では広報セクションを持っているところはまだ少ないのが現状です)では、広報の担当者は社員の中から選ぶことが多いようです。新卒採用した社員の中から、広報に向いていそうな人材を選んで配属します。新入社員として配属されることもあれば、営業など他部門で何年か経験を積んでから配属されることもあります。つまり日本の企業では、広報の専門教育を受けた人を広報セクションに配属するために採用する、ということはほとんどありません。

 それに対して、外資系(外国の会社の支社や日本法人)では、新聞などで「求む広報担当者」といったかたちでの募集を行うことがよくあります。ほとんど経験者の中途採用です。期待しているのは、日本での広報活動のノウハウを持っていること、トップや親会社と緊密なコミュニケーションがとれること、つまり英語ができることです。日本企業での経験者も採用されていますが、私の知る範囲では、1)PR会社での経験を持っている、2)外国(といっても米国が多いですが)の大学等でPR課程を修了し、米国の親会社で採用されて日本に送り込まれている、3)日本の会社の米国法人などでPRの経験を持っている、といった経歴が多いようです。

 ということは、まずPR会社に入社することを目指す。そして英語を習得する。これが現実的なキャリアパスの方法だと思います。

 PR会社は新卒も中途入社も募集しています。PR会社の仕事と企業の広報セクションの仕事には多くの違いがあるのですが、それでもPR会社では広く広報業務の経験を積むことができます。

 もちろん日本の企業で広報をやる機会が全くないわけではありません。では、企業では広報担当者にどんな人材を求めているのでしょうか。広報セクションの責任者を長年勤めた経験から申しますと、

  1. いわゆる常識のある人。広報は雑多で広汎な知識が要求されます。しかし、ただの物知りではいけません。それを統合するコモンセンスが必要です。
  2. 誰にも好かれる人。知り合いや友人がどんどん増えてゆく人。記者は広報担当者の側から見ればお客様にあたりますので、お客様と良好なコミュニケーションがとれるだけのマナーを持っていなければ仕事になりません。さらに必要なのは、魅力的な人間力でしょうか。広報の仕事は多方面に人脈が広ければ広いほどうまくやれます。人脈は資産です。
  3. 社会の動きに敏感な人。多少ミーハーでもよいと思います。好奇心が強く、新聞やニュースが好きな人は適性がありますね。
  4. 勉強する人。当たり前のことですが、日常の業務に追われて勉強をしない人も少なくありません。そのような人はいずれ貯金を失って枯れて行きます。
  5. 地味な仕事に嫌気がささない人。広報の仕事は、外からは華やかに見えるかもしれませんが、実際は裏方仕事で、とても地味な業務です。それに幻滅してしまうと長続きしません。
  6. 舞い上がらない人、冷静な人。結構有名人と会う機会も多いでしょう。舞い上がってしまう人はだめですね。

 この6ヵ条を読んで、当たり前じゃないかと思われたかもしれません。なにはともあれ、最も重要なことは「広報の仕事が好きだ」ということではないかと思います。