空にもタメ口

スカイマークの「サービスコンセプト」が話題になっています。責任を押しつけるなと消費生活センターがクレームを申し入れたということですが、そんなことは些末な問題。顧客重視経営をかなぐり捨てた、なんとも奇妙な宣言文です。
その文中に「より安全に、より安く」とありますが、これまでのビジネスの常識では、顧客を大切にすることの延長線上に「安全」があると考えてきたはずで、客を荷物のように考える会社が本当に安全を守れるのか、はなはだ疑問です。「安全はほどほどに、より安く」と言う方がむしろ論理的だし、誠実ささえ感られるかもしれません。お客は減るでしょうけど。

それはそれとして、この文書にこんなセンテンスがあります。
「お客様に対しては従来の航空会社の客室乗務員のような丁寧な言葉使いを当社客室乗務員に義務付けておりません。客室乗務員の裁量に任せております」
丁寧でない言葉遣いってどんなんでしょう。
「オイ、そこのオバチャン。早く席に座れよ。後の客が入れねえじゃねえか」
なんて、言うんでしょうか。乗務員の裁量に任されているんですから、これでも問題ないわけです。

80年代のことだったでしょうか。渋谷のパルコを見学していたら、店員のオネエさんが、
「いいよ、これ。すっごく似合ってるう」
とお客さんに言っているのを聞いて、すっ魂消たことがあります。それまでの小売店の慣習なら、
「これはとてもお似合いですわ」
です。店員が客にタメ口をたたく時代に、そのときからなりました。
これは顧客軽視ということではなさそうです。若い女性である顧客と同じ目線で、同じマインドで接客しよう。つまり顧客により近づこうということだろうとも解釈できます。そう考えれば、客室乗務員のタメ口もあながち否定できないのかもしれませんね。
「飛行機がさっきから揺れてるけど、大丈夫よ。落っこちないからさあ」
こんなアナウンスが当たり前になるんでしょうね、きっと。〈kimi〉