2018年1月24日

(239)医師の働き方、どう解決するか

 医師の働き方改革に関心が高まっています。最近、各地の労働基準監督署が大学病院や著名病院の医師の労働実態を調査、次々に是正勧告を出しているからです。それにしても『朝日新聞』が1月17日の夕刊と18日の朝刊の1面トップに北里大学病院の同じ記事を扱ったのには驚きました。労働組合との間で無制限に残業できる協定を結んでいる他の病院と違い、北里大学病院は労働組合がなく、不完全協定というところはユニークですが、実態は同じことで、扱いが大きすぎます。共同通信は国立循環器病研究センターや神戸大学病院など19特定機能病院が同じ勧告を受けたと報じましたが、『毎日新聞』(12月10日付)は総合面の3段で載せました。
 というより、医師の残業過多に象徴される過酷勤務は何十年も前からで、業界では周知のことだからです。数年前、働き方改革が話題になった時も、「医師だけは対象外」とされました。遅ればせながら、当たり前がこんなに大きな記事になってきた、というのは、医師にとってよいことだろうと思います。
 問題は、果して解決方法があるか、いや、どうすれば解決できるのか、です。
 今月の初め、厚生労働省、日本医師会、病院代表らによる座談会でもこの問題が議論され、往診義務や研鑽が伴う医師は他職より残業・労働時間が長くてよいとの点では意見が一致しました。しかし、現状のような労基署の介入では、救急や産科は全国的に、地方では多くの診療科が崩壊する、との懸念も深刻でした。
 ざっくばらんにいえば、日本は医師が少ないのに患者が多すぎ、診察や治療が多すぎます。医療費が安いこともあり、症状が改善されないと患者はいくつもの病院をはしごします。結果的にはむだな医療が多く、それが医師を忙しくさせています。
 何らかの形で診療は制限し、むだな医療は廃止すべきです。その代わり必要な診療は費用も高くします。外来は医師が勤務時間が終われば終了し、見切れなかった患者は翌日回しにします。診察まで何日もかかるとなったら、ほとんどの患者は諦めるはずです。その代わり、救急は別個で国が本格的に推進します。一部の地域で実験的に行い、どれだけの病院や医師があればどの程度かを調べるべきです。