2018年2月19日

(243)医療費改定の目玉に注目

 今年の4月からの医療費が2月7日に決まりました。2年に1度の診療報酬の改定が新聞や専門紙で次々に報道されています。医療記者としておおいに関心あるテーマですが、実は中身がよくわからないことが少なくありません。診療報酬が付く医療行為の数があまりにも多く、細かく、複雑だからです。自分の診療でいくら請求できるのか、わかる医師は本当に偉い、と尊敬します。
 今回の目玉の1つがスマートフォンやパソコンを通じて診察する遠隔診療です。対面診療の一部の代用は、過疎地では止むを得ないともいえます。しかし、都市部では機械的ないい加減な診察がさらに進む恐れがあります。患者の顔色、表情、声、匂い、動作などからの情報が得られないからです。対面だって見てるのはパソコン画面だけだから同じだ、といわれると、診察そのものが疑問です。
 インフルエンザなどウイルス病に抗生物質を処方しない病院に診療報酬を加算する制度も注目です。狙いは抗生物質の乱用で増える耐性菌対策です。医師が不要というのに患者が望むからと抗生物質を処方するのは確かに無駄なことです。しかし、そうしないからほめて加算すると、抗生物質を出しても出さなくても医療費が余分にかかります。無駄な薬を出しても保険が支払わない方がずっと合理的です。懸念は医師の判断ミス、ウイルスと細菌の混合感染や、検査の誤り、限界のケースです。
 看護職員数が多い急性期病院の入院料が著しく高く設定された制度が改善されるのは進展です。厚生労働省の思惑を超え、都市部の病院が熱心に看護師を集め、地方の看護師不足などさまざまな問題が起きました。この様に医療の質、中身とは関係なく、医療職員の数や装置、設備の有無で段階評価をしている項目が診療報酬には非常に多くあります。実際には医師や看護師、技師などの能力は個人差が大きいものです。ベテラン1人の病院が新人3人の病院より医療の質が高くても、診療報酬は逆に少ない、立派な装置があってもだれも使える者がいない、といった病院もあります。「質や能力の判断は難しいので数や有無で代用」では、いつまで経っても質の向上につながらない気がします。