2018年3月5日

(245)新幹線、大事故にならずよかったです

 年に何度か、東海道新幹線を利用します。私は新聞社勤務の最初が岡山、奈良、大阪、それから東京と転勤し、奈良に住んでいた期間だけでも10年になります。懐かしい人にも会えるので関西での催しにはできるだけ出たいとは思いながら現実にはなかなか、というのが実情です。その新幹線からみのニュースです。
 昨年12月、博多発「のぞみ」の車両の台車に破断寸前の亀裂が見つかりました。岡山駅から乗った保守担当者が異常音を報告したのにそのまま運転、名古屋駅で点検して油漏れや亀裂がわかりました。2月28日のJR西日本の発表では、最低でも底面は厚さ7ミリ必要なのに一番薄い部分は 4.7ミリしかなく、原因は強度不足でした。製造した川崎重工業が、溶接のがたつきを抑える目的で、現場判断で削っていました。川重はこうした車両147台をJR西日本とJR東海に納入、西日本だけで7ミリ未満の車両が何と100台もあったとのことです。
 安全が売り物の新幹線ですが、名古屋までよく無事で走れたものです。実は同じような車両が100台以上も走っていた、というのですから、これまで大事故が起きなかったのが幸運としか言いようがありません。細分化された作業現場はその部分が強度を支えているとは思わずにぴったり合うまで削り、JR西日本は強度不足など考えもしないので、特別な検査もなく受け取り、異常音の報告を受けた総合指令所は「変な音ぐらいでいちいち止めていたらきりがない」と無視したのでしょう。乗車していた保守担当者は「上の判断だから仕方ない」と納得していたのか、不安でいっぱいのどっちだったでしょうか。
 近年は、日本の代表的企業グループのミスや不正があまりにも目立っています。昨年10月に発覚した神戸製鋼所は自動車や飛行機にも使われるアルミや銅製品の強度などを偽っていました。故意ではなかっただけ川重はまだましか、などつい甘くなってしまいそうですが、きちんとした製品を作ることの重要性から外れている点では同罪です。現場任せの体質が社風なら、別用途の川重製品は大丈夫でしょうか。
 そうそう、先月も宇部興産が顧客と約束した製品検査をせず、虚偽データ記載の検査表を付けて納入していたことが発覚しました。さあ、どう考えたらいいんでしょうか。