2018年5月1日

(253)健保組合が解散に追い込まれるとは

 企業や業種で作っている民間健保組合がいくつも解散に追い込まれているとのニュースが目につきました。時代の流れだろうなと思います。
 健康保険組合連合会(健保連)によると、2017年度までの 5年間で解散した健保組合は30以上になり、約50万人加入の人材派遣健保、16万人の日生協健保など大規模組合でも解散寸前となっているそうです。解散後、加入者は中小企業などが加盟している全国健康保険組合 (協会けんぽ) に移れますので保険は確保できますが、独自の補助事業などが無くなる可能性があります。
 医療財政の悪化で保険料が高騰し、組合の経営が難しくなっているからです。この保険料には75歳以上の高齢者医療への拠出金も含まれています。医療費は高齢になるほど増えるので、現役中心の組合は高齢になった元従業員分をできるだけ負担すべき、という趣旨からできた拠出金制度です。かつては格安だった組合の保険料が、税金の補助もある協会けんぽ保険料とあまり変わらなくなってきたことも、解散し易くなっている要因です。
 その協会けんぽはたった1つで3600万人が加入しています。これに対し、3000万人が加入する健保組合は現在1389もあるそうです。
 制度が始まる時に国 (厚生省) が設立を働きかけた結果でしょうが、保険は本来大規模なほど効率がよいはずです。医療費がかからず、余裕のあった時代は内輪でやる方が何かと便利です。役職者を増やしたい企業、事務者を天下りさせたい厚生省の思惑もあったに違いありません。医療費が徐々に高くなるにつれ、保険料も上げざるを得なくなり、メリットが失われてきた、ということなのでしょう。
 市町村ごとの国民健康保険組合 (国保) も 4月から47都道府県に移管されました。そのほか、他の組合より優遇されているといわれる国家公務員向けを含む共済組合が85ほどあります。また75歳以上の高齢者は各組合を卒業して高齢者医療制度に移りますが、これは1つです。なぜこんなに種類や数が必要なのだろうか。考えれば考えるほど分からなくなってきました。