2018年7月17日

(264)「生命の灯ふたたび」展が開かれました

 脳卒中などで脳を損傷した患者さんたちの「生命の灯ふたたび」展が先月7月3日から8日まで松戸市文化ホールで開かれました。案内をいただいていたので私は初日に立ち寄りました。ほとんどは言語や視覚障害、半身まひなど重い障害を残したままで、医師からは「これ以上の回復は困難」と告げられた人たちの作品展です。
 主催の患者会「若葉の会」「東葛失語症友の会」の会員ら約80人の絵画、書、絵手紙、工芸、俳句などの作品が飾られていました。発病や残った障害、写真などで作者が紹介されています。感動的なのは最初に挑戦したころのたどたどしい文字や絵です。自分の名前も満足に書けなかった人が、実物や写真をもとに植物や花、鳥や動物、風景を上手に描いているのに驚きます。書の文字も迫力がありました。納豆のプラスチックケースに絵と言葉を描いたユニークな作品や、右半身まひの患者さんが左手と左足の爪先で作ったという刺しゅうもありました。会員の遺作も含まれています。
 指導をしているのは「若葉の会」を運営している言語聴覚士の横張琴子さんです。1979年にご自身がアキレス腱断裂で入院した病院で、医師らに失語症患者の言語療法を頼まれたことがきっかけでした。絵画や書道が好きだった横張さんは病院でのリハビリが終わった患者さんにも指導を続けました。長い時間を経て徐々に腕を上げ、やがて自信を回復した患者さんにとって制作は生きがいになります。最初の「生命の灯ふたたび」展は32年前でした。作品集もこれまで 2冊出ています。私は 2冊目の『生命の灯ふたたび 2』 (新興医学出版社、2016年 7月刊) を送っていただき、横張さんの活動を知りました。
 40代50代で脳卒中で倒れた人、もっと若いのに交通事故に遭った人、神経難病など患者さんはいろいろです。もしも、自分が脳卒中の発作で、急に話せなくなり、手足も動かなくなったらどうでしょうか。絶望するのは当然です。一方で、適切な刺激を与えれば、脳は驚異的に回復する可能性があることが分かります。
 「若葉の会」には東京都内や東北地方から通って来る会員も増えているそうです。横張さんには心から敬服です。