2018年7月23日

(265)技能実習生、建前はいいんだけれど


 東日本大震災で爆発事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所関連の除染作業を外国人技能実習生にさせていたことが明るみに出ました。法務省が7月13日、発表したものです。技能実習生といえば1カ月前には日産自動車が、2カ月前には三菱自動車が制度から逸脱する実習計画外の仕事をさせていたと報じられたばかりです。「建前と現実は別なのが日本でしょ。驚く方がおかしいね」と言いかけて、自分も政治家と同類になったのかもと悲しくなりました。
 法務省によると同日までに、建設関連の4社が実習生に除染作業をさせていました。たとえば、盛岡市の建設会社では福島県内の「除染特別地域」で作業させ、しかも国から支給された手当ての一部しか払っていませんでした。法務省は東北・関東地域で実習生を受け入れている約1000社の実態調査を始めたばかりで、同様の会社がこれからどんどん見つかる可能性があります。
 開発途上国の若者に日本の技能や知識を教える「国際貢献」事業の外国人技能実習制度は1993年に始まりました。対象職種は農漁業、食品加工、建設業などで、昨年11月からは介護が加わりました。ベトナム、中国、インドネシア、フィリピン、タイなどの送り出し機関、日本の受け入れ機関が責任を持ち、企業の現場に派遣され、当初は3年間で技能を習得し、帰国してもらうというのが建前です。
 現実は複雑です。故国でその分野で働いている、日本語もある程度できる、などの条件の実習生がまったくの初心者だったり、仕事は単純雑務、日本人並みの賃金、休みの約束が、無休低賃金、賃金不払いだったり無茶苦茶です。東北・関東で1000もの建設会社が高度な技能を持っているとは考えにくく、大企業も中小も安い労働力確保が目的でしょう。仕事が辛い、給料不払い、もっといい仕事と、年間数千人の実習生が失踪しています。送り出し機関、受け入れ機関、許す政府もいい加減です。
 働き方改革法が先日の国会で成立しました。派遣社員、技能実習生など労働関係法はどれも安く労働者を使いたい企業のための制度です。過労死が心配です。