2018年9月10日

(271)病院の防災対策は重要なのに

 7月の西日本豪雨、9月4日、その西日本に上陸した台風21号に続いて9月6日未明、北海道では震度7もの強い地震が起きました。まさに災害大国日本です。とくに地震は東京を始め全国どこも危険地帯。私たちもいつ巻き込まれるかわかりません。何よりも家族の安全だと痛感します。
 日常生活の影響の一番は停電でしょうか。北海道全域の295万戸が停電し、交通からコンビニ、工場、酪農までストップしました。丸1日たっても200病院ほどが停電したままで、50病院ほどは断水も重なりました。著名な病院でも多くは外来診療を縮小し、一部救急を中止したところもありました。
 有力な病院は自家発電装置を備えていますが、燃料の備蓄にも限界があり、どうしても出力は限られます。最低必要な電力で対応するわけですから、大電力を要する装置の稼働や日常の作業が制約されます。停電自体は予期しないことではないとしても、現場の戸惑いや一時的な混乱はやむを得ないことでしょう。
 地震、台風、集中豪雨、河川氾濫、猛暑などの災害のあまりな多発ぶりに、従来の防災対策を根本から見直す必要がありそうです。日常生活の維持面からは病院の防災対策がとくに重要です。けがや病気、体調不調時に病院は不可欠です。
 地域の核となる拠点病院は自家発電装置の規模を大きくしなければなりません。今はせいぜい2、3日分とされますが、もっと多量の燃料を備蓄すべきです。断水に備え、敷地内か近くに専用に使える井戸も必要です。災害対応時の患者収容や機器修理を考え、材料の在庫、余剰スペースや専門家の常勤体制も必要です。
 日本の医療は保険制度が原則です。材料も人件費も日常の診療の収益から出します。診療報酬は概してギリギリで、よい医療をしようとする病院にとってほとんど余裕がない状態で、防災対策の拡充は自力では不可能です。
 考えてみると、防災対策の医療は本来は国の仕事です。それを病院にまかすなら、診療報酬からのやりくりでなく、国が別枠で費用を負担すべきではないでしょうか。知らん顔の政府はやっぱりおかしいと思います。