2018年9月18日

(272)子ども医療費助成に罰金があるなんて

 子どもの医療費の自己負担分を多くの市区町村が親に代わって負担しています。いいことだし、もっと広がってほしい、と以前に書いた覚えもあります。ところが、国はそれに反対で、肩代わりした自治体には国民健康保険の助成金を減らす “罰金” 制度を設けています。こんな「いじめ」を国がまだ続けていることに驚きます。
 「学校入学前の子の医療費・窓口減免43都道府県に」とのまとめ記事 (8月20日付け『朝日新聞』) によると、窓口支払いの自己負担分を自治体が肩代わりすると、昨年まではどの年齢層でも罰として国が国民健康保険の公費負担分を減らされました。受診しやすくなると医療費が増える、との理由です。当然ながら批判があり、ようやく今年度から未就学児に限って廃止されましたが、小学生以降の子どもはまだ罰金が続きます。細かいことですが、窓口で一端支払い、何カ月後かに自治体がその分を助成する償還払い制度だと罰金はつかないようです。記事によると、償還払いだった 6県を含め43都道府県の全自治体が窓口減免になりました。残る自治体もそうなるはずです。
 助成で受診しやすくなり、結果的に医療費が増えるかどうかは実は疑問があります。全国保険医団体連合会理事の調査では、助成対象の14歳以下の子ども (おおむね中学生以下) は制度が広がり、2016年は2002年の2.2倍になりましたが、医療費増は1.2%で、時間外受診もとくに増えていませんでした。
 一方、学校歯科検診で虫歯が見つかっても歯科医を受診せず、多くの虫歯を持つ子どもは助成制度のない市区町村に多い傾向があると、東京歯科保険医協会などいくつかの県の保険医協会が報告しています。
 少子化対策、さらには子どもの健康を考えると、医療費の助成は重要です。未就学児の助成は全国1741市区町村全てが実施していますが、小学校卒業までだと1508(87%)、中学校卒業までが1387(80%)、高校卒業の18歳までは381(22%)と減っていきます。8割賛成は民意といってもいいはずです。中学までの助成はできれば国の仕事とすべきで、最低でも罰金なしにすべきでしょう。