2017年6月26日

(211)薬メーカーの無自覚に怒り


 またまた薬メーカーの不祥事です。6月22日の記事 (『朝日新聞』) によると、和歌山市の山本化学工業は解熱鎮痛剤成分アセトアミノフェンでは国内8割を生産しています。一方で中国からアセトアミノフェンを輸入し、数年前からこっそり自社製品に混ぜて販売していました。中国製はもちろん安価。コストを減らし、利益を上げるためです。国内の製薬会社はこれを使い、風邪薬などの処方薬や市販薬を製造していたわけです。
 食べ物と違い、薬は微量でも強力です。不純物を含まない純度の高い物質です。そのために薬は用いる原材料の質、製法、精製法、配合する物質など、こと細かに規定され、厚生労働省の認可が必要です。中国製アセトアミノフェンは原材料や製法などは山本化学工業も承知しておらず、当然ながら、これは厚生労働省の認可条件にも明らかに違反しています。6月26日の続報では、てんかん薬の配合でもごまかしがあったとのこと。ひどい話です。
 2015年に内部告発で発覚した化学及血清療法研究所(化血研) 事件を思い出します。化血研は日本を代表する血液製剤やワクチンメーカーですが、国に無届けで12種類の血液製剤に血液が固まりにくくする成分ヘパリンを添加していました。薬の認可条件は厳しくて途中で変える場合はその都度、国の承認を得なければなりません。ごまかしは何と40年も前からでした。製造部門の担当理事は承認を得るには一時的に製造中止が必要で、供給に支障が出るとして届け出をしませんでした。そればかりか、国の査察に備えてヘパリンの購入を隠すために二重簿を作ったり、本物と偽物の製造記録を用意したり、書類を古く見せるために紫外線を当てたりと、信じられないほど悪質な隠ぺい工作をしました。
 製薬メーカーでなく、流通途上の薬局がごまかしたC型肝炎薬ハーボニー偽薬事件というのもありました。薬局はインチキ薬を売った個人を確認していないということですから違法を承知の取り引きです。以上のどの事件でも幸い、患者さんに目に見える形での被害はないらしいのは救いですが、だからといって許されるはずがありません。
 そうそう、ノバルティスの降圧剤ディオバン事件でも大騒ぎしました。これだけいろいろあると、問題になっていない薬も本当に大丈夫なのかと心配になってきます。製薬企業や薬販売業者はもっと薬を大事にしてほしいと思います。